エグゼクティブのための
自由学藝塾 リベラルアーツ・サロン
第二回 観櫻式

自由学藝塾 講演内容主旨

 第一部は金剛流能楽師の宇高通成氏によるワークショップ「能のいろは」。宇高氏は自身が作製した能面を持参、小面(こおもて)や曲見(しゃくみ)、敦盛(あつもり)などを舞台でのエピソードを交えながら解説する。能面の裏側は、ある医科大学教授によると「人の顔を剥いだ皮と一緒」だそう。実際、人間の筋肉の流れを参考に、裏側には漆を塗っている。完全に顔を覆ってしまう仮面の演劇は、世界でも能しかない。このため、声がくぐもって聞こえる。それは、別の世界からの呼びかけである。能に登場する多くは、戦で死んだ武将や恋が実らなかった女性、神や仏の化身であり、魂の叫びを表現している。演者は舞台で稽古したことを再現するのではない。人間の世界と別の世界の間で起きていることを表現するのだ。この境地が幽玄の世界である。ここに行き着くには、心と呼吸が一体になって自分を感じるという魂のレベルに達しなければならない。能の世界をひと通り学んだ後は、参加者が能面を手に取ったりかぶったりできる体験の時間に。宇高氏が能面の付け方を説明する。実際に能面を付けた感想は「不思議な感じ。アナザーワールドに行ったよう」(男性)、「自分の世界になって、広がりを感じた」(女性)。最後に、腹式呼吸の実践、「いえあおう」を繰り返す発声練習首やこめかみなど声を出すためのマッサージを行ってから、「鞍馬天狗」を参加者全員で合唱する。第二部は、宇高氏による能舞台「高砂」の実演。15分ほどのステージだったが、目の前で見る迫力に参加者は圧倒されたようだった。第三部の懇親会では、藤美沙紀氏による「能面」をモチーフにした三部作「沁(shimu)」「浸(hitaru)」「透(suku)」が飾られた会場で、用意された美濃銘酒『白扇酒造』の朝一番しぼりの酒や味醂を片手に参加者が大いに語り合った。

春 2004年4月10日 清明

観櫻式

終了しました

時間 平成 十六年 四月 十日(土) 

受付:午後三時
午後三時半始〜七時半終 

場所 外苑前「梅窓院」祖師堂
交通 銀座線「外苑前」
<1a>出口から、DPE55ステーションの角の路地(ぼちぼち通り)から祖師堂へお入り下さい。

注意:駐車場はありません
当日次第

【伝統芸能の系譜 その弐『能と能面の世界』】

プロローグ
「伝統芸能の系譜」 中村 暁
一部
「能のいろは」ワークショップ

  講師 : 金剛流能楽師 宇 通成師


謡の習い「櫻に因んで」
能のおはなし 歴史など
能面のおはなし
 ・能面の種類・精神
 ・能面を付けてみる
能のものがたり
能の装束 装束付け
能の音楽 囃子方(笛・小鼓・大鼓・太鼓)
 
休憩 10分
二部
能舞台

 半能『高 砂』

シテ  通成
田中義和
小鼓 幸 信吾
大鼓 大倉栄太郎
太鼓 徳田宗久
地謡  竜成
熊谷伸一
熊谷真知子
元吉正巳

三部
懇親会

「さくらの季節を愛で楽しむひと時」 

京都より季節の旬菜
日本のお酒 そのニ
華道家・池坊美佳さんプロデュース生花
アーティスト・藤美沙紀さん 
「能面」をモチーフとした三部作
 「沁(shimu)」
 「浸(hitaru)」
 「透(suku)」

   

 講 師 宇 通成(うだか みちしげ)

シテ方金剛流能楽師重要無形文化財総合指定保特者。 金剛宗家・二世金剛巌師に師事。昭和60年国際能楽研究会(I・N・I)創立(日米欧を中心に世界13カ国に支部)平成3年初世宇六兵衛喜太夫追善能開催し松山藩世襲家能役者宇高家七世を継承、平成9年明治まで続いた松山稽古舞台を再興。平成13年 正岡子規没後百年記念新作能『子規』を披く。平成15年8月新作能『原子雲』、12月『龍馬』を相次いで披くほか10月には東京での十年シリーズ「三輪清浄」の会で大曲への新たな挑戦を始める。能面作家でもある唯一人の能楽師。

参加費 一万五千円(税込)
参加申込方法 ご参加のお返事は、【参加お申込用紙】にて下記の締め切りにしたがって、事務局までファックスまたはe-mailにてご連絡ください。

締切
平成十六年三月十九日(金)
※定員になり次第、締め切らせていただきます。あらかじめご了承くださいますよう お願い申し上げます。

※お申込の方には、事前に「能と能面の世界」の小冊子をお送りいたしますので、住所を明記してください。
参加申し込み用紙 ダウンロード(PDF形式、170KB)

参加用紙込み用紙はAdobeAcrobatReaderが必要です。もし、インストールされていない場合は、こちらからソフトをダウンロードしてください。
事務局 自由学藝塾事務局(サブリネット株式会社内)

〒107-0052
東京都港区赤坂4-2-25-105
電話番号 03-3568-7654
FAX番号 03-3568-7658

戻る